今回は私の生き餌ーコオロギ失敗談――についてお話ししますね!
爬虫類飼育でどうしても通らねばならない道……、それが生き餌……つまりコオロギやレッドローチ、デュビアといった虫の飼育です。
人工フードのみで飼える子もいますが、突然人工フードを食べなくなることも珍しくありません。その際の選択肢として「生き餌」は残しておきたいところです。
そのためこの時点で爬虫類飼育を断念する方も多いと思います。
現在は「冷凍コオロギ」「乾燥コオロギ」も出回っているので、こちらを使うのも手です。
しかし、動かないので食いつかない場合があります。
また、「冷凍コオロギ」は解凍に一手間かかります。
さらに、「虫の形状自体がダメ」という方には「冷凍コオロギ」「乾燥コオロギ」でもアウトかと……。
さて、話が少し逸れましたが、その生き餌のトップに君臨するのが「コオロギ」です。
・コオロギの種類
・ヨーロッパイエコオロギ(通称 イエコ)
・フタホシコオロギ(通称 フタホシ)
※クロコオロギはフタホシを選別して育てたものの名称です。
の2種類がメジャーです。
どちらも大抵の爬虫類ショップにて販売しています。
筆者の近所では一匹10円ほど。まとめ買いすると多少安くなります。
ネットだと一匹当たりはもっと安くなります。
しかし配送料を足すと同額が少し高めになります。
また受け取りの手間も発生します。
生き餌のためすぐ受け取らないと悲惨なことになりますね……。
この辺りは自宅の立地次第と要相談です。
・コオロギの利点
どの飼育書、飼育ブログ、そしてショップでも勧められる生き餌の王、コオロギ。
その利点としては……
・栄養価が高い(※ガットローディングは必須)
・爬虫類の嗜好性が高い
・雑食性なので特別な餌は不要
・繁殖も簡単
・爬虫類ショップで間違いなく売っている
・100匹ぐらいまでなら特大プラケでキープ可能
・多くのショップで餌付けしている虫はコオロギ
とあり、ならお迎えした子にコオロギを与えよう! 頑張ってキープしよう、と思いますよね。
筆者はそう思い、デュビアと共にキープを開始したのですが……。
まあ飼育して分かる欠点ってのがあるんですよ、コオロギ氏には……。
というわけで、筆者が遭遇したコオロギたちの予想外の欠点、ご笑覧下さい~。
・雑食性……共食いウェルカム
餌不足を起こすと即座に共食いします。
死んだ個体のみならず、弱った個体も食べます。
脱皮直後の生体なんて良い餌です。
そのため、動物性の餌を切らさないようにしましょう……。
雑食性なコオロギにお勧めな餌としては、
・コオロギの餌
・ドッグフード
・キャットフード
・熱帯魚用の飼料
・フトアゴ等肉食トカゲの餌
・ニボシ、カツオブシ
などが挙げられます。
ちなみに人間の時間感覚では考えられないほど餌切れに弱いです!
常に餌がある状態をキープしましょう。
餌を与えること=ガットローディングにも繋がります。
餌を与えなくてもコオロギはしばらく生きていますが、体内の栄養を使って生き延びているので、どんどん虫の栄養価は下がっていきます。
そのため、虫の世話は小まめに行った方が、結果的にペットたちの健康にも繋がるわけですね。
【筆者の失敗談】
昆虫ゼリーをあげれば事足りると思い、それだけ与えていたら、二日目にして共食い発生。
60匹ほど購入しましたが、生き残ったのは50匹もいるかどうか……。
一時的にオスだけ分けて、2時間ほど置いていた間にも一匹食われていたので、想像以上に餌切れに弱いです。
私はフトアゴの餌をあげて共食いを回避しました。
しかしフトアゴの餌をあげ続けるのはコストが高くなりますので、今後は熱帯魚用の餌でも与える予定です。
・水切れに弱い
コオロギは水切れにとても弱い生き物です。
徒歩5分の爬虫類ショップから連れ帰ったときでさえ、キープ容器に入れるなり水を含んだ綿に飛びついていたので、すぐ喉が渇くようです。
手軽な水入れとしては、
・水をひたひたに含んだ綿やキッチンペーパーを、プラ容器に入れる
がいいでしょう。
専用の給水器もあります。
が、大量にキープしなければ「プラ容器+キッチンペーパー」これで十分ですね……。
また、野菜クズが出たら多少入れておきましょう。
良い水分補給の餌になります。
与えてよい野菜
・小松菜
・チンゲン菜
・にんじん
・キャベツ
・白菜
・ミカン
絶対にダメな野菜
・タマネギ
・ネギ
・ほうれん草
・観葉植物
※簡単に言えば、「トカゲに与えていい野菜」のみ与えましょう。
タマネギやネギ、ほうれん草は人間は食べられますが、他の動物、虫にとっては毒になりますので絶対に与えないこと。
観葉植物は毒を持っている種類が多く、特定する方が面倒なので与えないのが◎。
ちなみに水だけ入れると100%溺死します。
ちょっとした水たまりもNGですので、容器がちゃぷちゃぷするほど水を含ませないように注意です。
腐ったコオロギは水をダメにして、他のコオロギも連鎖的に殺してしまうので、水入れには必ずキッチンペーパーか脱脂綿を入れて、そこから給水できるようにしましょう。
【筆者の体験談】
筆者は小さなプラ容器にキッチンペーパーで水を与えていました。
特に溺死も発生せず、安上がりで助かりました。
珍しくこれは上手くいった例です……。
・かなり匂う……むわっとした独特のにおい
匂いとしては「香ばしいカツオブシ」「動物質の麦(!?)」のような……そういう匂いです。
かなり独特の匂いです。
爬虫類ショップでかぐ匂いはこの「コオロギ臭」だと断言できますね……。
【筆者の経験談】
筆者ははっきり言って嫌いな匂いです!
60匹キープした二日目にして匂いがはっきり分かります。
ペットシーツを引き、消臭剤を置けば多少マシになりますが、気休めですね……。
コオロギに比べたらデュビアは全然匂わないです。
匂うな、と思ったら大抵それはラビットフードの匂いなので……、筆者の場合は、ですが。
・湿度、温度にうるさい……蒸れないように工夫を。
イエコもクロコも幅はありますが、「低温」「蒸れ」にはかなり弱いです!
適温は23度から28度。
そのため、
・爬虫類ケージの上に置く(下から温まる)
・パネヒを引く
という配慮が必要になります。
16度~20度ほどの低温でも生きてはいます(筆者経験)。
が、一気に不活性となり、餌も食べなくなるので、餌虫としての役目を果たせません。
餌虫は食べて肥えてなんぼですからね。
また低温だと繁殖もできないので、繁殖を視野に入れている方は必ずパネヒを引きましょう。
【筆者の失敗談】
コオロギの匂いがつらく、別室(気温20度)に移動させました。
すると餌を食べるどころか動かなくなりまして……。
これは死ぬかも、急いでパネヒを引いたところ、その上で動き回っていたので、冬の餌虫にはヒーターが必須だと痛感しました。
・成虫になると鳴く……かなりうるさい上に下手くそ!
当然じゃろ!と言われたらその通り!
その通りなのですが……びっくりしましたw
私が爬虫類ショップで買ったコオロギは成虫一歩手前だったので、購入当時は鳴きませんでした。
爬虫類ショップ側も「コオロギは鳴くとうるさい」と認識していたんでしょうねw
しかし当時の私はそんなことはつゆ知らず……
キープして三日目でしょうか……
深夜に聞こえてきたんです。
餌虫置き場にしているトイレから「りー・りー・りー」と鳴き声が……!
一瞬で目が覚めて「アイツらぁぁぁ!」と思ったものの、あのケージからオスだけつまみ出すなど無理。ていうか眠い(オ)。
私は眠りにつくと翌日、容疑者を引っ捕らえてフトアゴに審判してもらったのでした……
【筆者の反省点】
まだこれ、少数だったから笑い話ですが、大量にいたら、たぶん私は水に沈めて全部抹殺していたでしょう。
そのくらい神経に障る音でしたw
コオロギは昼夜問わず鳴きます。
神経質な方にはかなり神経に刺さる音です。
壁一枚は余裕で抜く音です。
その点も踏まえて繁殖はさせた方がいいですね……。
・余談 意外と素早い。脱走すると大変。あと柔らかい。
イエコは餌虫として取り扱いやすい、動きはそんなに早くない。
と、書かれていることがありますが……
いやいや……
久しぶりに虫に触る人なら、びっくりするぐらい素早くて「!?」となること請け合いw
筆者としては飛び跳ねるのでデュビアより大変でした……。
【筆者の失敗談】
コオロギには都合3回も「怒りの大脱走」を決められています。
壁や床を跳ねているコオロギを何度追いかけたことか!
しかも全て捕まえたと思ったのに、玄関で息絶えていたコオロギを見つけたときは爆笑してしまいました。なんでー!?って。
虫嫌いのご家族がいたらデュビアのほうがお勧めです。
コオロギよりデュビアのほうが脱走の危険性は限りなく低いと思います。見た目の問題はありますが……。
あとねー……
コオロギって後ろ足が凶器なんですよ。
だから後ろ足をちぎって与えようとしたら……筆者、力が加減を間違い、首と胴を泣き別れにしました!
これ凹みましたね……。
餌虫だから食われてなんぼなのに、こんな死に方ある?
それからコオロギの後ろ足に複雑な思いを抱いていますw
ある程度大きいサイズだと、後ろ足をピンセで掴むと勝手に取れるらしいですが……。
まとめ――コオロギキープのほうが爬虫類より手がかかる。
コオロギにおける筆者の失敗談、どうですか?
1回キープしてこれですからねw
特に「匂い」「鳴く」は悩まされたので、デュビアのキープにすぐに移行しました。
いまでも2~3日のキープなら行えると思いますが……正直、あの匂いは勘弁してほしいです。
またあの途切れ途切れの鳴き声が苦手で……、しばらく耳について離れませんでした。
筆者に経験をくれ、フトアゴの栄養となってくれたコオロギたちに感謝ですね。